都市と芸術の応答体
RAUとは
都市と有形・無形に応答する芸術の在り様を、理論と実践の両面から探求するラーニングコレクティブ。建築家・藤原徹平と芸術研究者・平倉圭によって企図され、映画監督・三宅唱を招いたコ・ディレクションによって駆動している。世界中の都市から、美術家、写真家、パフォーマー、演出家、詩人、ダンサー、アートマネジメント実践者、建築家など多様なメンバーが参加。オンラインにも関わらず、濃密な連帯をつくりだしている。
ごあいさつ
2020年からスタートした『都市と芸術の応答体』の試みを、2022年も継続していきます。
私たちの生きる都市は、家族像の変化、経済危機、移民、多国籍化、都心への一極集中、市街地の空洞化、大災害、パンデミックなど、その様相は21世紀に入り変化しつづけています。社会を拘束する文脈が大きく、強く、速くなりつづけていて、都市とは何なのかをとらえることすら簡単ではありません。
そのような都市に生まれる芸術とはどのようなものでしょうか。私たちはここで芸術を、美術館や劇場のなかにあるものだけではなく、人を触発する形を制作する技術とその技術の産物として広く捉えてみたいと思います。
都市を深く観察し、応答し、あるいは都市の存在の基底に触れるような知的探求を通じて、都市そのものを深く理解し、芸術を為す感覚を拡張していくような地点にたどり着きたいと考えています。
そのために私たちは『都市と芸術の応答体』という場を立ち上げました。
この場では、私たちに気づきを与えてくれるゲストアーティストたちとの深い対話を軸に、都市と芸術に関わる新しい論点を探っていきます。集団的なリサーチを行うかもしれませんし、実験的なアートプロジェクトをつくることになるかもしれません。
1年目は「土木と詩」というコンセプトを議論の中から生み出し、都市を映像で捉えていく理論と方法を構築していきました。2年目は、「土地と身体」というコンセプトから、都市を映像とテキストで捉えていく理論と方法を探っていきました。3年目の今年は集大成として今までの言葉に「ロードムービー」という言葉を加えて、土地の持つ物語を立ち上げる方法を試行していきたいと考えています。
引き続き多様な専門性のバックグラウンドの方の参加を期待します。
本プロジェクトでは、オンラインという状況を活かし、世界の多様な場所から参加ができる場としたいと考えています。互いの対話から、言葉を鍛え、眼を鍛え、さまざまな芸術の制作実験をしていく、集団的試行の場、学びの共同体を引き続き育てあげていきたいと思います。
藤原徹平・平倉圭
開催概要
募集条件
- 対象者
- 都市と芸術のより深い関係を試行していくメンバーを、年齢や経験や活動拠点や所属を問わず幅広く募集します。
・文化芸術・文化行政・まちづくりの分野で活動する方
・実践を通してアートマネジメントを学びたい方
・分野を超えて芸術を考えたい方
・作品をつくることに意欲のある人(作品制作経験の有無は問いません)
- 受講方法
- zoomやmiroを利用したオンラインミーティング
※オンサイトでのWSも検討中です
- 参加費
- 無料
- 定員
- 30名程度(申し込み人数が定員を超える場合、選抜を実施します)
- 募集期間
- 4/25 17:00~5/6 23:59まで
※5/9中に選抜結果をメール通知いたします
- 申込方法
- 下記の項目を申込フォームへ記入してお送りください。
なお、(4)の回答は提出形式はPDFに限ります。
https://forms.gle/TyDtwy6wq5jpTWHR8
(1) 氏名・年齢・職業・性別(任意)
(2) 活動がわかるウェブページなどのリンク(任意)
(3) 参加可能な頻度や日程(通年で参加可能、〇月頃は参加できない、等)
(4)AかBのいずれかの問いを選択し、「写真+500字以内」または「1000字以内のテキスト」をPDFデータにまとめてご提出ください。
A「都市と芸術」の関係についてあなたが考えることを自由に書いてください。
B「土木と詩/土地と身体/ロードムービー」というキーワードについてあなたが考えることを自由に書いてください。
スケジュール
- 4/25(水)
- メンバー募集開始
- 5/6(金)23:59
- 募集締切
- 5/9(月)
- 選抜結果連絡
- 5/11(水)
- 活動開始
5/11から、プログラム終了時まで隔週水曜日の19:00 – 21:00が活動日です。
下記スケジュールの詳細や、変更がある場合は、メンバー向けの連絡ツールにて随時告知致します。
※5、6月のスケジュールは下記です。
5/11、5/18、5/25、6/8、6/22
ディレクター
藤原徹平
FUJIWARA Teppei
建築家
1975年横浜生まれ。横浜国立大学大学院Y-GSA准教授。フジワラテッペイアーキテクツラボ主宰。一般社団法人ドリフターズインターナショナル理事。
横浜国立大学大学院修士課程修了。建築や都市のデザイン、芸術と都市の関係を研究・実践している。主な作品に「クルックフィールズ」、「那須塩原市まちなか交流センター」、「京都市立芸術大学移転設計」、「ヨコハマトリエンナーレ2017会場デザイン」、「リボーンアートフェイスティバル2017会場デザイン」など。受賞に横浜文化賞 文化・芸術奨励賞 日本建築学会作品選集新人賞など。
平倉圭
HIRAKURA Kei
芸術学研究者(近現代美術、パフォーマンス、映画)
1977年生まれ。横浜国立大学大学院Y-GSC准教授。
国際基督教大学卒。東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。芸術の制作プロセスにはたらく物体化された思考を研究している。最近はダンス研究を少しずつ。著書に『かたちは思考する―芸術制作の分析』(東京大学出版会、2019年)、『ゴダール的方法』(インスクリプト、第二回表象文化論学会賞受賞)、『オーバー・ザ・シネマ 映画「超」討議』(共著、フィルムアート社)ほか。
ゲストアーティスト
三宅唱
MIYAKE Sho
映画監督
1984年北海道生まれ。一橋大学社会学部卒業、映画美学校フィクションコース初等科修了。主な長編映画に『ワイルドツアー』(2018)、『きみの鳥はうたえる』(18)など。最新作はNetflixオリジナルドラマ『呪怨:呪いの家』(20)。他に鈴木了二との共同監督作『物質試行58:A RETURN OF BRUNO TAUT 2016』(16)やビデオインスタレーション作品として「ワールドツアー」(18/山口情報芸術センター[YCAM]との共作)、「July 32,Sapporo Park」(19/札幌文化芸術交流センターSCARTSとの共作)などを発表している。
昨年度の活動
昨年度の活動の最後に開催したオンラインイベント「RAU試2021-2022 坂の物語」のアーカイブ映像を公開致します。
2021年度の活動を振り返りながら深める「坂の物語」というテーマでメンバーがつくった試作を囲んで議論を行い、そのミーティングの様子を配信したものです。
2022/2/19 ミーティング1:招待状への応答ビューイング&ディスカッション
2022/2/23 ミーティング2:レクチャー&ディスカッション
2022/2/27 ミーティング3:再制作を受けてレビュー&ディスカッション
また2020年度、2021年度のアーカイブは下記ホームページよりご覧ください。
RAU2020「土木と詩」
RAU2021「土地と身体」